『孕む』 10 子供
「あかねちゃん、泣いてるのか」
藤堂があかねと女たちのすすり上げにめざとく気づいた。
黒井が、あかねの側に寄り、顔を撫でて涙を拭う。
「よくやったな、あかね」
「ごしゅじん…さまぁ…」
あかねは、黒井がかけた言葉に、また泣いた。
「ああ、そういえば。赤ん坊が出て来たばかりのあかねのマンコを見ましょうよ」
柿崎が声を上げる。
「おう、それを忘れておったわ」
男達が、再びあかねの股の側に集まり、先ほど赤ん坊が出て来たばかりの膣穴を囲んで覗き込む。
「へえ、もう閉じかかってますね」
先ほど、赤ん坊の大きな頭、身体、そして胎盤が通った穴である。だがぼっかりと開いたままということはなく、せいぜい太いバイブくらいの大きさまで穴は閉じつつあった。
「さすがしまりのいいあかねちゃんですねえ」
「でも中の方はどうだ。膣とか伸びて広がってるんじゃないか」
青柳が手を伸ばし、指を差し入れた。
「ちょっとだけ…」
そう言いながら、ずぶすぶと深くまで手を差し入れていく。
「あっ…い、いたい…くうぅ…」
「ちょーっと我慢せえ。すぐ済むからなー」
あやすような猫なで声を出しながら、青柳は手を進めていく。
「おお、すごいな…」
「手どころか腕まで入るんじゃないか」
「子宮が解りますか、青柳さん」
「おお、子宮の口がひらいとって、触れるわ。なかまで…なか空っぽだ」
「凄いですねえ」
「このなかでじゃんけんができそうだわい」
「あああっ…いたい…いた…い…」
「後でボクも、腕まで入るか試させてくださいね~」
「普段はきつきつマンコのあかねちゃんだから、なおさら感慨深いですねえ」
「まったくです」
男達の興味は、今や完璧に、赤ん坊からあかねに移っていた。いや、哀しみと痛みに泣き叫ぶあかねにではなく、あかねの性器にである。血を流して懸命に生き物としての役目を果たしたあかねの内臓を、子供のように興味津々で眺め、触っている。いや、まさに男達にとっては、子供の頃、兎小屋ににんじんや菜っ葉を差し入れて食べさせた想い出の延長にあるのだろう。時には木の枝やナイフを差し入れて振り回し、兎を追い回したのと同じ目をして、男達はあかねの性器で遊んでいたのだった。
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