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闇の箱

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□ 『研修』 □

『研修』 08 リペア(13)

 少女が男のペニスを受け入れたのは、貞操帯の訓練と休養期間が終わってから更に二週間後のことだった。少女がここで目覚めてから、そろそろ一月になろうとしていた。それだけの時間をかけてじっくりと少女は壊され、歪に組み替えられていった。奉仕を毎日の日課として達成感を得ることを覚え、水を摂るように快楽を貪り、好物のケーキに喉を鳴らすように男根を咥え込むことを求めた。自分からねだることはまだなかったが、声の調子や躯の反応、そして男の肉棒を見つめる視線は、雄弁に少女の変化を語っていた。
 また、その日の5日前には、少女ははじめて自分から男を射精させることができた。風呂場でくぐり椅子に座っていた男のアナルに指を入れ、前立腺を刺激しながら睾丸を揉みほぐし、裏筋から雁首を舐め上げるという総力戦で、男の精子を体外に導くことに成功したのだった。それまでにもアナルを舐めさせられていたが、自分から触ることへの抵抗感を拭えずにいた。それを乗り越えての取り組みであった。男は少女の意気に感じ入ったこともあり、素直に楽しんで気をやったのだった。その時も特に褒め言葉がかけられることはなかったが、少女はひとりで誇らしく思っていた。顔に飛び散った精子を、大切なもののように拭い集めて飲み下した表情からもそれはわかった。男はそれを見据え、次の段階、体内での奉仕へと研修を進めることにした。少女にとっては念願の、本物の男根である。
 とはいえ、その日のうちに少女の中へ挿入したわけではない。一度射精させられたからといって男の精が尽きたわけではなかったが、それは日を置いて行われた。さりげなく、昨日までにもそうしていたように。

 この男とのセックスが、少女にとって特別なものになることはあってはならなかった。なぜなら男は、少女の主人ではないからである。
 少女のことを女から牝へと変える役を担ったこの男の存在は、少女の人生、いや生涯においてとても大きなものとなった。一般の世界で喩えるならば、恩師と言っても過言ではないだろう。しかし、いくら大きな存在になったとしても、少女はこの後、オークションにかかる身である。首尾良く買われたら、そこには少女が生涯尽くす主人が待っているのである。男は主人ではなく、買い手ではなく、ましてや売り主でもなかった。売り主はオークションハウス本体であり、男は雇われの調教係でしかなかった。少女の運命を左右する権利をなにひとつ持つことがないにもかかわらず、少女に多大な影響を与えて牝へと変えるのが男の仕事だった。男はその影響を考慮して、細心の注意を払っていた。男は少女のなかに印象を残さず、思い出にすらならないように振る舞わねばならなかった。それが一番難しかったのが、少女とのセックスである。
 この数週間、男は少女とふたりきりで過ごした。男は少女の世話を焼き、手荒く責め、牝の心得を教え込んだ。少女の心の奥底まで男は踏み入り、探り、掻き回し、嬲った。男は少女にとって唯一の他者であり、少女の運命を左右する絶対権力者であった。少女の憎しみも懇願も奉仕も、男はすべて受け止めた。そんな相手を意識せずにいられるわけはない。だから男は、少女に優しくすることも労ることもせず、心を通わせるようなことは一切しなかった。少女の期待通りに動くことも、願いを叶えてやることもなかった。
 しかし、どれほど男が素っ気なく接したとしても、そこまで手をかけられた相手を特別に意識しないではいられない。なにがしかの感情は生まれるものだった。手厚い調教を愛故と誤解することもあれば、強い憎しみが愛に転換することもある。服従を強いられ続けるうちに習いとなることもあるし、従うことで安堵を得ることもある。理不尽な命令に暗澹たる気分になっても、それを果たせる自分に暗い喜びを見出せば、それは心地よさに変わる。男の命令を曲解して、ひっそりと共犯意識を芽生えさせることもある。表面的には憎悪しても、内面で屈服させられたら、いくらでも良く思わされてしまうことだろう。人間には、欺瞞という能力がある。自分を守るためにはいくらでも嘘をつき、自分自身さえも騙す生き物であるから。
 まして、肌を重ねた相手である。抱かれたからとて愛が芽生えるほど単純ではなくとも、思慕や情念が生まれることは充分にあり得る。しかしそれはあってはならない感情である。少女がこれから、男のことを思い出して感傷に浸るような感情は、排除せねばならない。なので、男とのセックスは特別なものであってはいけなかった。セックスではなくただのファック。肌を重ねるなどという艶めいた表現で語られることではなく、ペニスをヴァギナに挿入するだけのこと。抱き抱かれるなどという感情を伴う行為ではなく、犯し嬲り強いる淫猥な行為である必要があった。少女がはじめて奉仕に成功し、射精に導いた日に、挿入を果たさなかったのはそれ故である。ご褒美をあげるかたちになってしまうからだ。何の意味づけもなく、ただ男が少女の穴を「使ってやる」ようにするために、日を置いたのである。もちろん、その数日の間に、少女の奉仕がまぐれではないか確認する意味でもあったが。

 少女と男の初体験はその為、特に語るべき内容を持たない。昨日までもそうしていたように、何の前置きもなく感慨もなく男の肉棒は少女の穴に挿入され、抽送を繰り返して、少女の胎内に射精しただけだった。
 補足するならば、少女は拘束設備に四つん這いに固定され、強烈なバイブレーターに翻弄されて息も絶え絶えになっていたところだった。発情した雌犬そのままに高く突き出された少女の尻に向かって、男はペニスを挿入し、初めての少女の膣の感触を楽しんだ。四肢から首までがっちりと拘束された少女は、はじめ何が起きたのか解らなかった。尻に当たる男の腰と、腰を握る男の手、そしてなにより男の肉棒の温かさを膣内で感じてようやく、自分が犯されていることを知った。しかし拘束され疲弊した少女は、かすかに呻く以外のことはなにもできなかった。恍惚に緩む男の顔を見ることもなかった。無抵抗の少女の穴を男は存分に使い尽くし、男の分身はその本分を果たした。膣奥から胎内に向かって熱い精液が迸った瞬間、少女の躯にも痙攣が走った。少女もまた果てた。その時、それが随喜のものか諦念からか、身体の反射でしかなかったのかは少女自身にも解らなかったが、少女の目から涙が溢れた。壁に埋め込まれた記録用カメラだけが、それを見ていた。




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Date:2010/10/08
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Thema:官能小説
Janre:アダルト

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