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闇の箱

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□ 『孕む』 □

『孕む』 02 ショウ

「まあまあ。そんなにせっついては可哀相ですよ」
 あかねの頭の方に陣取ってしゃがんだ男が、翠とあかねに声を掛けた。白いものが混じる髪を後ろになでつけ、口ひげを蓄えた壮年の男である。
「産むってのは大変なんだから。なあ、あかねちゃん」
 男は、苦痛にゆがむあかねの顔を微笑みながら覗き込み、あかねの髪を撫でる。
「は…ひっ…。ありがとう…ござい…ます…藤堂様…」

「ははは。いつもながら藤堂さんはお優しいですなあ」
 翠の斜め後ろ、あかねから少し離れて座った男が笑った。還暦を迎えた年齢相応の見事な禿頭の額にも皺が寄る。
「こいつらに、そんな気遣いは無用でしょう」
 禿頭の男は、背面座位で少女を抱いている。
「んあっ…」
 まだふくらみかけの胸を、爪を食い込ませるようにきつく揉まれて、少女は思わず声を上げた。
「牝は、身体を張って私らを楽しませるのが務めなんですから。なあ、そうだよな、桜んぼ」
 胸の痛みを堪えながら桜んぼ、桜子は、主人に仕込まれた言葉を口にする。
「は、はい…青柳様。私は、ご主人様…たちに、楽しんでいただければ、この身がどうなろうと…かまいません」
「よし。ならもっと自分から腰を動かせ」
 少女は自分で腰を動かせるように、足をがに股に開いて抱かれていた。重心を崩して青柳の腹に倒れ込みそうになるのを、懸命に耐えていた。しかし青柳は、その少女の腰、今まさに自分の逸物が突き上げているあたりを、パンと音を立てて勢いよく叩いた。青柳のいつもの仕置きだった。
「ああっ…。は、はいいっ」
 敏感になっているクリトリスや膣内に刺激が響き、桜子は足が崩れ落ちそうになるのを必死で堪えた。
 
 桜子は青柳の牝奴隷ではないが、同じ年頃の少女を、自分でも何人も奴隷として飼っている。青柳はそれを、孫を膝に座らせていた頃のことを思い出すからと語る。その為か、青柳は少女を相手にするときには、背面座位を好んで命じた。未だ薄い少女の躯を腕に抱いて、肉棒を浅い膣の奥まで突き刺し、子宮口まで突き上げるのが、青柳の好みだった。
 また青柳は、この体勢で少女を鳴かせる名人だった。肉棒を出し入れしながら、少女を抱く腕を伸ばして、乳首やクリトリス、時には脇腹までも熟練の指遣いでさまざまに刺激する。耳や首筋を舐め、息を吹き込む。すると少女の口からは、さまざまな音色の吐息やあえぎが漏れ出すのだった。その音色の連なりは、ひとつの曲のように聞こえた。青柳は、楽器を操るように少女を奏で、甘美なる音色を響かせる名人だった。マエストロ青柳にかかれば、どんな少女であろうとも、ストラディヴァリウスもかくやという名器になる、という褒め言葉もあるくらいであった。桜子が青柳に奉仕するのは3度目なので、そろそろその妙技が発揮されてもおかしくなかった。


「まあ、めったにないことですし。それに、あんまり早く結果が見えても、後の楽しみがなくなってしまいますよ」
 藤堂が諭すように言う。
「そりゃ、そうですな」

 あかねは一年前、あかねの持ち主である黒井によって開かれた種付けショウに出演した。その時のメンバーが、今日ここに再び集い、この出産ショウを見物しているのだった。
 あかねの持ち主である黒井は、この種付けショウを最大限楽しむために、いくつかの趣向を凝らした。まず、ピルを調整して排卵日を正確に出し、あかねが確実に妊娠する日を選んで、開催日を決定した。
 そして同好の仲間である藤堂、青柳、柿崎、紺野、朝木に声を掛けて、参加を募った。黒井を合わせて都合6人。誰の精子があかねを受精させるか。ロシアンルーレットに見立てるなら、誰の弾が命中したかを賭けにしたのだ。掛け金は、あかねの持ち主である黒井と、見事命中させた子供の父親で折半にするという取り決めである。また黒井は、持ち主であるからといって自分に有利にしないために、ショウの前後にはしばらくあかねには手を出さず、他の牝奴隷で性欲を満たすという念の入れようであった。
 その時の子供が、ようやく生まれるのである。もちろん賭の結果は、DNA鑑定を待つことになるが、さしあたって誰に似た子供が生まれてくるのかを、男達は楽しみにしていた。

「それにしても、あかねは今日は楽しませてくれますな」
「そうっすね。うちのも何人か、孕ませてみようかなあって思いましたもん」
 別の男が横から口を挟む。
「妊婦がこんなに遊び甲斐があるなんて、初めて知りましたよ。ボテ腹に突っ込んで、赤ん坊にかかるかもってくらい深くに出すのもいいし、産んじまったら、子宮の中まで覗けたりつっこめたりするんでしょう」
 青柳や藤堂に比べると、砕けた物言いをする男は、まだ若い。
「いっそ、君の頭をつっこんでみても入るかもしれんぞ」
「あははは。おかーさーん、ただいまーって」
「まあ、腕くらいは入るだろう。しかし柿崎くん、君もまだまだ若いな」
 藤堂が、柿崎に向かって言った。
「自分が突っ込むことばかり考えてちゃ、そのうちやり尽くすぞ」
 同好の士としては何十年も先達の青柳は語る。
「そのうち何発もいけなくなってくると、牝をどう鳴かせるかとか、どう欲しがらせるかとか、どんな風にすれば牝は精神的に苦しむかとか、そういうことを考えるようになるんじゃよ」
 そう言うが、青柳も還暦とは思えないくらい、精力は衰えていない。先ほどから、桜子が懸命に座位で抜き差しをしているが、一向に射精に導かれる気配もないのだ。

 柿崎は、ある地方の代議士の息子であり、一族の鼻つまみ者であった。地元では絶対的な権力者のひとりであり、幼い頃から叶わない望みはなく育ってきた。精通を迎えてからの十代は、その若い力と性欲を持て余し、ナンパやレイプなどの性犯罪の限りを尽くしていた。柿崎を止める者はなかった。いくら無茶をしても、家の弁護士がきれいに後始末をしてしまうのである。地元では、柿崎に目をつけられたら不運と思って諦める、という暗黙の了解すらできあがっていた。
 しかし、もう何十人目かの女性を林に連れ込み、コトに及ぼうとしたある時、野外調教されていた牝奴隷とその飼い主に出会ったのである。今まで、気ままに嫌がる女性を犯してきた柿崎であったが、その牝奴隷の従順さには衝撃を受けた。暴行して、力づくで一時、女性を支配することでは満たされなかったものが、そこにはあったのである。 
 柿崎はその男に頼み込み、牝奴隷の飼い方について、詳しく手ほどきを受けた。資産家の家に産まれた柿崎には、社会的経済的なハードルの高いこの趣味を始めることも可能だった。柿崎の親は、息子が新たに始めた趣味には当然、眉をひそめた。際限なく犯罪を繰り返し揉み消し続けるよりはまだしも良いと、目を瞑った。柿崎の親であるその代議士は、青柳もよく知っている人物であり、その縁で、息子ほども年の離れた彼を仲間に入れているのである。
 
 柿崎は、今日ここに連れてきている藍と、その他にもう4人の牝を今までに飼っているが、どの牝奴隷にも絶対的な服従を求めた。拷問まがいの苛烈な調教を施し、失敗や反抗には容赦のない罰を科していた。多くの女性を知るだけあり、柿崎が選ぶ牝の質はどれも高かったが、どの牝も、柿崎の鞭を怖れるあまり、精神のバランスを崩してしまっていた。極端な色狂いになり四六時中主人の肉棒を求める牝や、幼児退行を起こした牝、打擲の恐怖が抜けずにパニック症候群を引き起こした牝もあった。身体の一部を欠損した牝もいる。
 そんな柿崎のやり方を知る者達からは、何も解っていない。下手くそなやり方だと、嘲笑されていた。せっかくの良い素材を、無駄にしてしまう愚か者であると憤る者もいた。
 
 誤解を招きがちだが、青柳たちのように年季の入った奴隷の飼い主は、奴隷をまったくのモノとは思っていない。せいぜい動物扱いである。いや、奴隷に念を入れた調教をする者ほど、相手を人間だとみなしているとも言える。
 なぜなら、人間を人と思わず、尊厳を奪い、服従を誓わせ、自分に奉仕させることが、奴隷を飼う醍醐味なのである。餌付けすれば尻尾を振る愛玩犬のように、単純なものではない。希望や絶望を鼻先にぶら下げて操り、女の意識を徐々に牝へと変えていく。自分の手で、その牝の人生を作り込んで支配する。それが、奴隷を飼う楽しみなのだ。
 性的な快楽は、確かにその多くを占める。男の肉欲を、望みのまますべて満たす存在は、男の夢のひとつである。だが、それが全てではない。それだけならば、莫大な資金や手間暇を掛けずとも、いくらでも用は足りる方法がある。しかし、自分で所有することの楽しみや悦びは、単純な性欲処理を越えたところにあるのだ。 
 例えば青柳も、桜子への厳しい態度からも解るように、とても過酷な調教をする。だが、それだけの手を掛けるだけ、牝奴隷への愛情があるとも言えるのだ。青柳の口からは決して、愛などという言葉はでないだろうけれど。 
 柿崎にはそれが解っていない。自分の思うがままに調教という遊びを繰り返して、牝を使い潰しているにすぎない。青柳は老境の余裕で、そのうちわかると思い、こうして折に触れて諭しているのだが、通じているのかは解らない。

「うーん…考えてはいるんですけど…」
「若いときはね。そのうち、ほら、このあかねちゃんの痛がりよう、必死に頑張っている顔が、何とも言えず魅力的に思えてくるんだよ。そうですよね、黒井さん」
 藤堂が、あかねの顔を撫でて言う。
 黒井もあかねを気遣いながら、聞くとはなしに聞いていたが、笑って頷いた。
「まあ、確かに。柿崎君の言う楽しみもあるよ。今日一日であかねの身体は、どんどん変わるんだから」
 黒井が優しげな口調で言う。
「あかねちゃんが頑張ってくれるから、どんどん違った楽しみがありますよね」
 藤堂が応じて言う。
 柿崎は黙っていた。柿崎は、感情の起伏が激しいが、粗野ではないし、立場は弁えている。納得のいかない顔をしているが、説教をされたといきなり激高するようなことはない。内心では、赤ん坊だけなんとか早く始末してしまえばいいのではないか。そうすれば、もっと早く楽しめるのになどと思っていたけれども、口に出さないだけの分別はあった。
 そもそも、この赤ん坊が自分の種であったとしても、柿崎は引き取るつもりはなかった。十年も育てないと穴としても使い物にはならない赤ん坊は、彼の興味を惹かなかったからだ。また、話の通じない子供など、自分はすぐに殺してしまいそうで厄介だという思いしかなかった。




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Date:2009/06/03
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Thema:官能小説
Janre:アダルト

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