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闇の箱

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□ 『孕む』 □

『孕む』 03 紫織

 赤ん坊は少しずつ、あかねの膣を進んで出て来ていた。もう頭が全て、この世に顔を出している。まだ血と羊水の膜をかぶっている状態では、誰に似ているとも判じかねた。
「頭は出て来ましたけど、まだちょっとわかんないすね」
 あかねの股の真ん前、特等席に陣取った柿崎が、両手を組んであごを載せて、見物のポーズを取った。
 ところで柿崎は、あぐらを組んだ足の間から突き出した逸物を、四つんばいにさせた女に横から咥えさせていた。その女の頭にいきなり両肘を突き、体重をかける。前触れなく頭を押さえつけられ、喉の奥までペニスを深く咥え込まされて、女はえずいた。思わず、目には涙が浮かぶ。
「う、うぐぐっ…ごほっごほ…」
「お前も楽しみだろ。しっかり見ておけよー」
 咥えている女の頭を、肘鉄砲で小突きながら、柿崎は言った。柿崎の股ぐらに顔を埋めている女には、もちろん見えるはずがない意地悪である。まして、その豊かな黒髪が柿崎の足の間でたまり、掻き分けることも許されないので、視界は開けず、横目で見ることも珍しい。息をするのも苦しく、咳き込んだが、柿崎は意に介さない。
「う…ぐほ…うぅ…んー、んー…」
「おいおい、これくらいで泣いてちゃ、青柳さんに捨てられちゃうぞ」
「スマンね、柿崎くん。紫織は口が小さいから、なかなか巧くならなくてな」
「あ、すみません。そういうつもりじゃ」
「わかっとる。冗談だよ。だが、口だけじゃなくマンコも狭くて具合はいいんでな、勘弁してやってくれ」
 青柳は、桜子の胸を掴んでいた右手を伸ばし、四つんばいの紫織の秘唇に指を突き入れた。
「うぐ…ふうんんっ…」
 青柳によって被虐心を開花させられた紫織のそこは、えずいて涙を浮かべるかたわらも、とめどない愛液に濡れそぼっていた。2本の指で大陰唇を開いたり閉じたりしながら、ぐちゅぐちゅと音を立てて掻き回す。
「よし、よく濡れておる」
「ぶっ…うう…んあっ…」
 紫織は四つんばいになるときには、尻を高く上げて突き出し、足を目一杯開くよう躾けられている。女性が秘するべき陰唇を、自ら明かりの下に晒け出し、いつ何時であっても男の肉棒を受け入れる体勢を取るのが、牝奴隷の作法であった。厳しく躾けられた紫織の躯は、抵抗や恥辱といった感情を介すこともなく、自然と股を開いていた。
 もちろん、改めてそれを指摘されれば、紫織とて恥辱を感じる。唐突に突き入れられれば、萎縮もする。しかし、足を閉じることは許されない。それどころか、躯は自然に反応し、一層懸命に、足を開くようになっていた。紫織の躯は、そう出来上がっていた。だが、いかにも狭そうであった。
「な、ワシの指2本ぽっちも、きつく締め付けてきおる」
 紫織は、青柳の指を受け入れ易いように、懸命に足を開いていた。しかしそれでも、指2本を咥え込んだ紫織の膣には、余裕がなかった。これが青柳の太い逸物を毎日のように挿れられているとは、思えないほどに。
「紫織はそろそろ排卵日だから、なんなら孕ましてやってもかまわんから」
「ん…んぶっ…」
 紫織が、自分の膣内を荒々しく弄ぶ主人の言葉に、身を硬くした。
「おー。それはそれは」
 柿崎が口の端を歪めた。
「あかねの子供の誕生日が、紫織の子供の製造年月日になるわけだ」
「そしたらまた一年後、出産ショウができますね」 
「お前達は仲がいいから、それもいいんじゃないか。なあ」
 青柳が、紫織の膣から指を抜き、念を押すように尻を強く叩いた。

 青柳は黒井とは長い付き合いであり、普段から公私ともに交流があった。二人は、相手の館に出向く際には、必ず牝奴隷を伴うようにしていた。自分の調教の進み具合を自慢し、相手の牝奴隷の味を試すのである。市井の老人が、盆栽や錦鯉を育てて、その見事さを競い自慢するようなものだ。育てる対象は、それとは比べものにならないほど複雑で、非道なものであったが。
 その為、着替えや風呂や食事の後始末など、あかねと紫織はともに行動することが多かった。紫織はあかねよりもひとつ年長で、牝奴隷となった時期も、あかねよりも半年ほど早かった。なので紫織は、黒井の元に買われてきたばかりのあかねを気遣い、何くれとなく励ましていた。いつしか紫織は、あかねの姉のような存在になっていた。枕を並べて泣いたことも、互いの主人の癖を論ってこっそり笑い合ったこともあった。
 そんなあかねが、持ち主の黒井の思惑で、種付けショウで子供を孕むことになったと聞いたときには、心穏やかではいられなかった。妹のように感じていたあかねが、自分よりも過酷な運命を強いられたことを知り、紫織は、矢も楯もたまらず、青柳に懇願し、あかねの元に赴いたのだった。
 
 種付けショウまでの準備期間は、あかねは珍しく長い休みを与えられていた。万が一にも男の種を受け入れないために、夜の奉仕も免除されていたからである。何もしないでいい時間ではあったが、その後に待ち受けていることを思うと、心穏やかにいられるはずもなかった。
 紫織が訪ねたのはそんなときだった。紫織の姿を視界に捉えて、あかねの目には涙がにじんでいた。互いに牝奴隷であり、主人の決めたことを覆すことも、逆らうこともできはしない立場である。ましてや、紫織も明日は我が身である。いや、黒井の趣向を青柳がそのまま行うとも思えないから、より残酷なショウが企画され、その主役に据えられるかもしれない。人のことなどかまってはいられないはずだった。
 それでも、紫織がただ心配で駆けつけたことに、あかねは心から感謝していた。そして、紫織に心配をかけまいとして、笑ってみせたのだ。それは紫織からすれば空笑い以外の何ものでもなかったが、ものを考えまいとしていたあかねが、紫織の訪れによって勇気づけられたことは確かだった。
 
 二人の間には、そんな絆があった。だから紫織は、誰の子供であろうとも、心から、あかねとあかねの子供のことを祝福しようと決めていた。そして、この場の誰があかねの努力を嘲笑い、生まれて来る子供に酷い仕打ちをするとしても、身体を張って守ろうと決めていた。牝奴隷としての、懇願や奉仕であっても、自分に出来る全てで。
 一片の慈悲すら期待できる男達ではない。特に紫織の主人である青柳は、男達の間では気のいい素振りをしているが、奴隷には厳しく忠誠を求める男である。赦しを求める願いなど聞き入れる耳など持たない。ただ懇願うだけでは、主人の不興を買い、遙かに状況が悪くなることも、今までの経験にはあった。だから、男達が思いついたその歪んだ快楽よりも、魅力的なものを自分が提供しなければならない。いざとなれば、自分もこの場で孕ませて欲しいと、思い切り淫らに願い出よう。そうすれば、男達の気を僅かでも逸らすことが出来るかも知れない。紫織はそんな未来を想定して、台詞を考えていた。
 しかし、そんな決意も虚しく、紫織は柿崎に頭を押さえつけられ、喉の奥まで柿崎のそそり立つ若いペニスを咥え込まれていた。あかねが何をされようとも、どんなに酷いやりとりが交わされようとも、紫織は耳をそばだてて聴くことしかできない。言葉を発しようとしても、ただ喉を震わせ、意味のない呻きを産むだけであった。
 
 しかも青柳は、紫織を孕ませてもかまわないと、とても簡単に柿崎に許可を与えた。
 紫織は、思わず身を硬くした。紫織の決意など、お見通しであったかのようだった。いや、青柳はそこまで牝奴隷の考えを斟酌する性分ではないはずである。ただの偶然、ただの軽口であるはずだった。だが軽口であるならば、それは同時に、紫織にとって残酷なことを知らせていた。紫織が孕むことは、軽口ひとつ、主人の気まぐれで決まるほどのことでしかないということである。紫織が取引材料にしようと思っていた手札には、何の効力もないことを思い知らされたのだった。
 自分が子供を宿すということは、そんなに些細なことだったのだと、紫織は絶望した。自分が青柳の牝奴隷であり、ペットのようなものであることは、心の奥底まで叩き込まれていた。だが、青柳にとって牝奴隷は、ペットつまり愛玩動物ですらないのかもしれない。肉や乳を採る家畜ですら、生産効率が高まるように交配を決められ、競走馬や犬猫なら血統を熟慮される。なのに、自分は主人の気まぐれで、誰とも解らない男の子供を身籠もらせられるのである。それは畜生にも劣る扱いであろう。紫織は、涙が零れるほどの息苦しさの中で、それが無性に哀しかった。悔しいと思う意気地は、とうに消えてしまっていた。




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Date:2009/06/03
Trackback:0
Comment:1
Thema:官能小説
Janre:アダルト

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大変面白く・・・ではなく興味深く拝見させて頂きました。
今後も是非、頑張って更新して下さい。また、伺わせて頂きます。
眠れない夜・・・朝か。
2010/04/20 【eConomy】 URL #9daUPgUQ [編集]

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