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闇の箱

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□ 『研修』 □

『研修』 08 リペア(15)

 男に犯され続けて三日が過ぎ、はじめて、明日は休みだと少女は告げられた。昏睡状態で休養が許された日はあったが、この生活に休みなどというものがあるとは思わなかったので、少女はすぐには信じられなかった。しかし、眠って目覚めても、本当に男は現れなかった。時計も窓もない部屋の中では夜も昼もなく、明日というのがいつからいつまでなのかは解らないままだったが、とにかく一日分、男は姿を見せなかった。
 休みといっても、何もない部屋の中である。テレビやゲームがあるはずもなく、読む雑誌や書き物をする文房具が差し入れられることもなかった。玩具というならいわゆる大人のオモチャはたくさん部屋の中に置かれていたが、休みだというのにわざわざそれで遊ぶこともなかった。
 することもないので、風呂に入った。久しぶりにバスタブに湯を張って、肩までゆっくりと浸かった。バスプレイをするためにやや広めのバスタブだったので、充分に手足を伸ばすことが出来た。熱いお湯が縄目や鞭の痕にしみて少し痛かったが、じっとしていたらじきに慣れた。久しぶりに湯船に浸かることができて、少女は心の底からほっとした。身体は毎日、色々なもので汚れるたびに洗っていたが、たいていはシャワーで洗われるだけだったので。湯船の中で湯を弄びながら、久しぶりに少女は自分の手足や肌を気にかけた。以前は、スキンケアに気を遣い、日焼けをしたシミができた化粧水が乳液がと大騒ぎをしていたものだったが、今の方が肌の状態がいいような気がした。太陽を浴びることも外気に触れることもないからだろうか。毎日たっぷりと汗をかいているからであろうか。まして汗の理由はセックスである。性感を刺激されて絶頂を極めて、女性ホルモンが刺激されるなかで噴き出た汗で身体を洗っているようなものなので、自然と肌の張りが保たれているのかもしれない。
 風呂から上がると昼食が届いていた。食事はきちんと三食食べた。いつもは男が運んでくるのだが、その日はいつの間にか二重扉の内側に置かれていて、いい匂いが漂ってきたのでわかった。誰が運んできたのかはわからなかった。久しぶりにひとりでゆっくりと食べることが出来たが、なんとなく味気ない気がした。食べ終わって食器を元の位置に戻して、そのままベッドに横になった。することがないので寝てしまおうと思うような性分ではなかったが、身体がそれを要求したのだろう。天井を見上げてぼおっとしていたら、いつの間にか眠ってしまった。夕食の匂いで目が覚めたので、食べて、また寝た。本当に休むだけになってしまったことが勿体ないような気もしたが、かといって何があるわけでもなかった。眠りに落ちる寸前、本当に一日姿を見せなかった男のことを考えた。男の、顔よりも長く見ている男根を思い出すと、手が自然に股間に下がった。一昼夜の休養を与えられたクリトリスを目覚めさせ、淫らに心地よい痺れを産み出させるように撫でさすりながら、少女はいつの間にか眠りについた。

 次に目が覚めた時には、一日が過ぎていたのだろう。すっきりと目が覚め、少ししてお腹が空いた頃に、男が食事を持ってやって来た。一昨日までのように、ふたりで床に座ってそれを食べた。特に話すわけでもなかったが、昨日ひとりで食べた食事よりも美味しいような気がした。
 食べ終わると、風呂に入れられて、身体を丁寧に洗われた。珍しいことに首輪も外された。今までも首を洗っていなかったわけではなかったけれど、緩めて肩口に落として、その間に首を洗うような次第で、身体から離すことは許されていなかったのである。首輪は奴隷の躯の一部だからというのが男の弁であった。それが外されたのが少女には意外で、洗われるに身を任せている間、何が始まるかと不安が頭をもたげた。
 全身を隅々まで洗い上げられると、香水を付けられた。それは今まで少女が使ったことのあるものに比べたら安物のようで、きつく妖しげな香りがした。
 次に、新しい首輪を渡された。少女はそれを見て無意識に首に手をやり、軽く撫でた。首輪がないことに違和感を覚えていたのだろう。新しい首輪を付けた後には、それを一撫でして小さく安堵の息を吐いていた。少女は否定するかもしれないが。
 この一月の間身に着けていたものは黒だったが、新しいそれはピンクだった。同じ色の腕輪と脚輪もあり、両手両脚と首とがピンクのベルトに彩られたことになる。それぞれの輪には金具が付いていて、手と手、脚と脚を細い鎖で繋げられ、首輪にはリードが取り付けられた。すべてを着け終わると、四つん這いになるように命じられた。
 リードが軽く引かれ、少女は小さく呻いてしまった。それを男に聞き咎められ、どうせなら犬のように鳴けと言われたので、おそるおそるわんと言ってみせた。わんだけでなくくぅんとかきゃんと言わされ、お手やお座りやちんちんなどを命じられた。今までにも同じようなポーズはさんざんさせられてきたが、完璧な犬扱いをされるのには、また別の羞恥が沸き起こった。おしっこや交尾と言われた瞬間はさすがに躊躇ってしまって、頭を叩かれた。仕方なく左脚を高らかと上げたり、鎖に繋がれた両脚を目一杯開いて尻を高く突き上げたりした。
 男はそんな少女を冷笑して一瞥し、リードを引っ張って歩き出した。少女は首を引き出されないようにペースを掴み、四つん這いで歩いた。男は部屋の扉を開けて、さらにもうひとつの扉も開けた。少女は、その扉が開いたのを見るのは初めてだった。外の廊下の冷たい空気が流れ込んできて、少女は身体をぶるっと震わせ、足を止めた。寒さだけではなくて、未知の世界への恐れも、少女の足を止めたことは間違いない。しかし男は少女のそんな感傷を許さず、強くリードを引っ張りながら扉の外へ歩き出した。少女は慌てて這い出して扉をくぐった。男と二人だけの小さな世界から、少女は連れ出された。
 今日の朝のことだった。




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Date:2010/10/09
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Thema:官能小説
Janre:アダルト

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