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闇の箱

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□ 『研修』 □

『研修』 08 リペア(16)

 少女は、すこし穏やかな気持ちになって、目を瞑って男の肉棒への奉仕を続けた。一月の間ずっとつきあってきたモノである。見なくても、どんなかたちをしているかは頭に焼き付いていた。人間の感覚器官のなかでも特に繊細な舌と指先をもって、男の敏感な性感を刺激していく。その作業に没頭すると、次第に周りのことが気にならなくなっていった。

 周りに大勢いる中での奉仕は初めてだった。そもそも、ここにこんなにも多くの人間がいたことを初めて知った。こんなにも多くの人間が裸で居るところを見たのも、初めてだった。ここに来てから見るもの聞くもののすべてが、それまでの少女の世界にはなかったものばかりで、いちいち驚くような感性はとうに磨耗したと思っていた。それでも、この部屋に入った瞬間には、思考が停止した。
 まるで地獄だった。幼い頃に絵本を見て思い巡らし怯えた地獄さながらの光景が、部屋の中には広がっていた。鉄釜も火の山もないのに、熱気に満ちていた。売られてきた身では当たり前のことだが、六文の銭すら持ち合わせることはなかったのだろう、中にいる者たちはみな裸だった。晒け出された様々な肌の色が無機質な部屋の壁を彩り、肉林かくやあらんという眺めをつくりだしていた。角が無い鬼たちが、鞭を振るって怒号を飛ばし、年若い亡者たちが、賽の河原の石積みのように終わりのない苦悶に喘いでいた。
 亡者といったが、それはある意味で正しくない。その顔は苦痛とともに快楽にも歪み、青白く沈むことなく真っ赤に染まっていた。鮮血が吹き出るかわりに、淫卑な匂いの汗が噴き出ていた。地獄にいるままに極楽に逝った証の潮と精が飛び散っていた。それらが混じり合った重く濁った淫卑な匂いは、死人に醸せるものではない。ここにいる者たちはみな生者であったが、同時に亡者でもあった。何かを亡くし、この世のものとは思えぬ凄惨な地獄に送り込まれた亡者の群れであった。
 自分が落ちたのは畜生道だと思っていたのに、更に地獄道に引きずり出されたのか。通っていた女子校で刷り込まれた仏教の知識が、少女の頭にそんな思いをよぎらせた。この世のものとは思えない凄惨な光景に足が竦んでしまったが、長く立ち止まっていることは許されなかった。少女の側にもいる鬼が、鎖を牽いて地獄へと誘っていたからだった。そうして少女も、亡者の列に並び、鬼の慰みに供されることとなった。

「シュウさんを満足させるのは大変だ」
 若い男は、しゃがみ込んで少女の躯を撫で回しながら言った。軽口を叩きながらも、その指は繊細に少女の肌を這い回った。
「馬鹿たれ。俺なんか易しいだろ。要は巧くなればいいんだからよ」
 男は、少女の顔の下に手を入れて、その小さな頬を親指と人差し指で掴んだ。もっと頬を窄めろということである。言葉では言われなくともそれがわかって、少女はその通りにやり方を変えた。
「どんな趣味のに買われるのかわかんねえんだからな。俺の言うことくらいできなきゃ駄目だろ」
 男は少女の頭を、褒めるように撫でた。口ではやはり何も言わなかったが。
「ホント…優しいっすね」
 若い男はそう言って、目をすがめて少女を眺めた。その瞳もまた、いみじくも優しさを湛えていた。

「ところで、こっちの方はどうすか」
 若い男の手はまた少女の尻に降りて、尻たぶの合間に人差し指を割り入れていた。女座りをしている少女の尻は閉ざされていて、その指の先はヴァギナまで辿り着かずにアナルに触るだけに留まった。しかし少女にはそれで充分だった。思わぬ刺激を与えられて思わず奉仕を止めてしまうと、また男に軽く頭を叩かれた。
「どっちだ。マンコか、ケツか」
「んー、とりあえずマンコのほう、どうすか」
 そういいながら若い男の人差し指の先は、狭い尻肉の合間でも動き、菊の花びらをノックしていた。そうしているとヴァギナまでの道が開けるとでもいった動きに、少女はむず痒さを感じた。
「悪くはねえ。試してみるか」
「えっ、いいんすか」
「ああ。どうせはじめからそのつもりだったろ」
 男は、若い男の狙いを見透かしたぞと顎をしゃくった。
「え、へへへ。見慣れないピンクちゃんがいたら、そりゃあね」
 若い男は誤魔化すように空笑いをした。
「つうかお前、自分の担当の牝はどうしたんだ」
「あっちです。エックスの2番目」
 若い男が、人差し指で部屋の片隅を指した。その指の先から十数メートル離れた壁に、両手両脚をX字に開いて磔られた少女がいた。その少女もまた全裸であり、両手足首の拘束具と首輪だけを身に着けていた。違うところといえば、磔の少女のそれはピンクではなく真っ赤だった。それと遜色ないほどに、顔から全身まで真っ赤にして身悶えしていた。
「まだ処女で二日目なんで、とりあえずローター付けて放置っす。何度かイかせて敏感にしといてからイジめてやろうかなと」
「なんだ、手ぇ出せなくて溜まってんのかよ」
「ま、そうっす。ほら、金玉こーんな」
 若い男が、自分のペニスを臍に付くように手で反らせた。よく見えるようになった睾丸は大きく、重そうに垂れ下がっていた。
「よせやぁ、てめえの金玉なんざ見たかねえ。早く牝を躾けて抜いてもらえ」
 男は手を振って、いかにも嫌そうにしてやった。
「はい。で、まあ今日のとこは…いいすか」
 若い男が物欲しげな視線を向けると、男はにやりと口の端で笑って言った。
「じゃあまあ、遊んでいけや」
「あざっす」
「まあ三十分位したら見に行ってやれ。ガキにあんまり急にやりすぎると、ひきつけ起こしたりするからな」
「はい、そうっすね」
 若い男が軽く請け合うと、男は少女の頭を二度叩いて、奉仕を止めさせた。少女は頭を上げて、男の肉棒から口を離した。男を見上げる少女の顔には、聞こえてきた話のために不安の色が漂っていた。
「聞こえてたな。そいつがおまえのマンコを使ってみたいそうだ。ちんぽを入れていただく時には、どうするんだっけかな」
 少女は、薄々覚悟していたことが現実になったことで動悸を激しくしながら、胸の前で両手を軽く握って、おそるおそる言った。
「ご…あいさつをして、おきよめを…」
「あ、挨拶とかいいからいいから。とりあえずしゃぶってよ」
 若い男が、少女の顔の側まで腰を突き出して、軽い調子で言った。少女は、躾けられた作法に背いていいものか困惑し、もう一度男の方を向いて確認を求めた。その答えは短かった。
「早くしろ」
「は…はい」
 少女は、膝立ちになって摺り足で身体の向きを変えて、若い男に向き直った。その目の前に、半立ちになった肉棒があった。
「しつれい、します…」
 少女は、若い男の肉棒を見てギョッとした。フェラチオをする前で半立ちのはずのペニスが、既に勃起が済んだかのように高々と屹立していたからだった。若さ故である。もちろん、触ってみればまだ少し柔らかく、半立ちの状態であるのはすぐにわかることだったが、少女は圧倒された。若いペニスを見るのは、この時が初めてだった。これまでに少女の躯を通ったふたりの男は、どちらも年配だったからだ。目を見開いて止まってしまった少女に若い男が軽口を叩く。
「おいおい、見惚れてくれんのはいいけど、まだこんなもんじゃねえからさ」
「は、はい」
 少女は急いで、胸の前で握っていた手をほどいて、若い男の竿に手を絡めた。握ると指が軽く沈み、曲げられそうなくらい柔らかかった。若い男の言葉は見栄や意地ではなく、まだまだ硬くなりそうだった。少女は初めてのペニス、生涯三本目の肉棒に手を滑らせた。初めのうちは、この一月つきあってきた男の肉棒との違いに驚き、珍しいものを確かめるような手つきだったが、次第にこの肉棒だけを見るようになった。少女の細く長い指がゆっくりと、肉棒を愛おしむように動いていく。雁首の淵を指でなぞったかと思えば、尿道や血管を辿るように下に降りる。先ほど話題になった精がたっぷり詰まった睾丸を、掌中の玉のように捧げ持ち、手のひらで軽く握って愛撫する。もう一方の手は、いいこいいこをするように亀頭を軽く撫ぜて、鈴口に滲んでいた汁を汲み出して広げるようにしていた。その頃には少女の胸の動悸は、見知らぬペニスへの恐怖によるものではなくなっていた。まるで想い人に出会った乙女のような緊張と、このペニスをどう可愛がろうかというわくわくした気持ちで、少女の胸は高鳴っていたのだった。
 思わず飲み込んでしまいたくなる生唾を溜めて、口腔内の準備をしてから、少女は舌を小さく出して、裏筋を軽く舐め上げた。仁王立ちになっていた若い男が、その刺激に少し身じろぎをした。少女はそれを何回か繰り返してから、唇でもって肉棒を甘噛みし、唇の隙間から舌を出して小刻みに舐めた。少女の舌先や唇は鋭敏なセンサーとなって、若い男のペニスの血流が激しくなるのを感じ取った。
「ん…なかなか…」
 若い男が少女の頭に手をやって、髪を掻き回すように撫でた。

 男は、簡単に褒めるなと言おうとしたが、思い直して口をつぐんだ。少女にとって初めての、他の男への奉仕である。気分良くやっているようなら、余計なことを言って緊張させないようにすることを優先にした。若い男の方にあとで言っておけばいいことだから。
 それよりも別のことを注意するのを忘れまいと、男は考えていた。今、若い男がせっついたので、少女は挨拶を省略して奉仕に就いた。形式や作法よりもその場の言いつけを優先するのは当たり前であるとして、問題は手であった。少女は直前まで、男のペニスを舐めしゃぶって奉仕していた。その手には当然、少女の唾液や男の体液が付着したままだった。それを少女は失念していたのではないだろうか。
 もちろん、性行為の最中、佳境に入ったときに、いちいち手を清めることはない。複数の相手をする時であっても、相手がかわるたびにいちいちそんなことをしていては興醒めである。しかし今のような時に、その発想すらないのは問題である。自分以外の男の体液が付着することを嫌がるような男は、そもそも乱交などしないだろうし、若い男も自分も気にはならないが、奉仕する牝はそれを気に掛けていなくてはならない。主人との性行為を行うのだから、衛生観念は徹底して刷り込まねばならないのだ。
 尤も、排泄物に塗れたり、野外で組み伏せたりする趣向もある。潔癖であることを貫くなら、体液が飛び散り雑菌が繁殖するこの部屋の状態すら好ましくはないだろう。そこまで気にすることではない。けれども、全く気に掛けないでいいかというと、それはまたよろしくない。感染症を招く危険性もあるが、奉仕においても問題となる。スカトロジーや泥靴を舐めさせるような趣向は、それが禁忌に触れる行為であるという意識があるから面白みが生まれるのである。はじめから汚れることを気にせず、汚いと捉えぬのならば、やらせる意味がない。犬猫に尻穴を舐めるなど汚いと説くのと同じである。
 男がその場で注意をしなかったのは、男への奉仕を止めたときに、手を胸の前で組んでいたからである。手術中の外科医と同じように余計なものを触らずにいろと何度も注意したのは、かろうじて刷り込まれたようだったからだ。あの時、挨拶をしていれば、少女は手を清めることを忘れなかったに違いない。三つ指を床に着けば、どうしても細かい埃や塵は付いてしまって、気になったはずである。ならば、少女が失念したのは、急かされて一定の流れを崩されたからだと勘弁してやることはできるだろうか。それはできない。予想外のことや急な出来事、常にないことはどうしたって起こるものである。けれども、それに動じていては奴隷は務まらない。主人からどのような理不尽な命令を受けたとしても、自分の分と為すべきことを忘れずに、奉仕ができるようにならなくてはならないからである。
 男は、後日同じような状況を作って、その時に少女に問いただすか、叱責することに決めた。考えがまとまって、眼前の光景に意識を戻すと、少女は立って上体を前に倒していた。、若い男は準備が整ったのか、碁盤攻めをするようだ。いや、ちょうどいい高さのものがなく、自分の膝を掴ませていたから、単に立ちバックと言った方が的確だろう。




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Date:2010/11/11
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Thema:官能小説
Janre:アダルト

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