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『研修』 08 リペア(14)

 それから少女の研修には毎日、男に犯される時間が加わった。男のペニスをヴァギナに受け入れて奉仕する時間といった方が正確であろうか。少女にとって久しぶりのペニス、それも百戦錬磨の男の肉棒は、凶悪なバイブに勝るとも劣らぬ激しさで少女を攻めた。しかし、それに酔って少女がひとりでイッてしまうと、男に厳しく叱責された。簡単に気をやってしまい、奉仕することを忘れるようでは奴隷失格であると。牝奴隷の躯はすべて主人の為にあるのだから、主人に使っていただける時は精一杯、主人を気持ち良くすることに勤めるべし。膣を絞めることはもちろん、頭を使って全身を使って主人に奉仕せねばならない。ひとりだけ気をやって果てている暇などないと。
 しかし、何遍叱られても、責め尽くされて敏感になっている躯の反応を抑えることは難しく、男の言う通りにはなかなか出来るものではなかった。懇願して抽送のペースを緩めてもらってようやく、痺れた腰に力を入れたり、豊かな胸を押しつけたり、自分で動くことを思い出すような有様だった。

 実を言えば、少女が自分の快感を完璧に抑え込み、主人がイクまではイかないなどという流行歌のような真似ができるようになるとは、男は思っていなかった。実のところ、完璧に出来るようになる必要はなかったのである。実際に、奴隷が使われる現場の様子を想像すれば、不可解に思われた方も納得するだろう。
 主人が良いと言うまで気をやらず、脱力したり眠り込んだりもせず、主人が満足するまで際限なく奉仕し、主人が果ててからやっと自分もイく。そんな奴隷は欲しいだろうか。確かに、忠実に仕えてくれて、望むままに奉仕をしてくれる奴隷は、男の夢であろう。けれどもセックスの楽しみは、一方的に奉仕されることばかりではない。相手に快感を与えて絶頂に導くのも、大きな満足を自分に与えてくれるはずである。セックスが双方向のコミュニケーションと言われる所以である。但しここで、主人なのに奴隷に尽くして気持ち良くしてやるのかなどと見ると、話がおかしくなる。主人は奴隷に奉仕しているのではなく、奴隷を攻めて征服しているのである。相手を絶頂に導き、脱力させて無防備にして屈服させることでも、主人は達成感と満足感を得るのだ。それなのに、相手が全くイかないのでは、達成感どころではない。そしてまた、自分が相手をイかせられないのに、相手が自分を必ずイかせてくれるとしよう。それはまるで釈迦の掌にいるようなものである。母や姉の胸に抱かれているのに近いかもしれない。それは肉体的な快感や満足は確かに得られるだろうが、男としては強い不快感を溜め込むことになるだろう。主人を満足させるどころか、不快な思いをさせ嫌われてしまっては、奴隷として買われた意味がないというものである。
 だからといって、素直に感じていればいいというものでもない。例えば、殊の外敏感で、性感帯以外でも少し攻められるとすぐにイッてしまう奴隷がいたとしよう。それはまるで突けば崩れる脆い石垣の城ようなもので、歴戦の武将にとっては攻略するのは容易である。主人は赤子の手を捻るように容易く屈服させることができるだろう。簡単すぎて、一日のうちに何回イかせられるか試すような趣向で楽しむかも知れないし、鍛えるという名目でイくのを我慢させ、罰を与えて苦しませるのも楽しいだろう。主人というのはそもそもが奴隷を飼おうというような人間である。自分に歯向かうことのない奴隷、弱い者を相手にして手軽に屈服させ、達成感を味わうことを至上の喜びとする性癖であったり、永続的に屈辱を与え続けて悦に入るような趣味を持つ者もいる。特にそのような主人に飼われたなら、奴隷は責め続けられ、末永く可愛がられるかもしれない。その奴隷にとっては過酷な日々だろうが。
 しかし、あまりにも一方的に果てられてばかりでは、奉仕させることもできはしない。また、何をしても簡単にイッてしまうのでは、趣向を凝らしても不完全燃焼のまま終わってしまうだろう。そのうちに手をかける意味もないと見なされたらお終いである。拘束器具で壁に固定されて放置され、凶悪な淫具に身を委ねさせられて、イき続ける様を鑑賞された例もある。その奴隷はそのまま狂って息絶えたそうである。
 少し考えを働かせてみれば、このような場面は容易に想像できるだろう。奴隷は、主人の望みを叶えて満足させることが存在意義である。主人が奉仕を望むときには奉仕し、攻めたいという意向の時には甘んじて受け、抵抗してはならないが耐久しなくてはならない。泡を吹いて気を失うほど激しく乱れて気をやることを見たいと望まれたなら、その通りにしてみせなくてはならない。飼われる主人の性癖によって、どんな対応が望まれるかがくっきりと分かれていればいいのだが、そんなことはない。ひとりの主人が、日によって気分によっていくらでも無茶を命じる。奴隷はそれに応えねばならないのだ。

 だから、男が少女に求めているものは、どれかひとつの完璧な対応ではない。常に主人の考えを慮り、主人の望みを察し、主人の意向に適うように動く。主人のために心を尽くし、躯を駆使して楽しんでもらうことを忘れない。どんな主人に買われても、主人がどんな気分の時でも、対応できる柔軟性こそ最も奴隷に必要な資質なのである。男はそれを鍛えるために、様々であり一様に過酷な調教を少女に施しているのである。今の少女にとっては、男にされていることは拷問にも等しく、地獄の責め苦のように感じることだろう。絶頂と失神を繰り返し味わわされ、本当に逝きそうに思ったことも一度や二度ではきくまい。しかし、この調教が単なる男の慰みではなく、少女が生きるために必要な「研修」であったことは、次の主人に仕える中で、どこかで必ず解るはずである。
 理不尽きわまりない過酷な運命であるが、それが人を辞めた奴隷の生きる術である。奴隷の義務は、奴隷自身のためでもある。より良く主人に仕え、主人の意向に適うように振る舞い、主人に気に入られることで、末永く主人に飼ってもらえる。奴隷の生殺与奪の権利は、その主人の胸先三寸だから、飽きられたり嫌われたなら、どうなるかわからない。捨てられようと売られようとも文句は言えない。生きていることが価値になるところばかりではない。主人を楽しませていればこそ、それがどれだけ過酷な日々であったとしても、生きていられるのだ。その為に必要な心性や技能を、奴隷に身に着けさせるのが、このオークションハウスの研修の目的なのである。




Thema:官能小説
Janre:アダルト

『研修』 08 リペア(13)

 少女が男のペニスを受け入れたのは、貞操帯の訓練と休養期間が終わってから更に二週間後のことだった。少女がここで目覚めてから、そろそろ一月になろうとしていた。それだけの時間をかけてじっくりと少女は壊され、歪に組み替えられていった。奉仕を毎日の日課として達成感を得ることを覚え、水を摂るように快楽を貪り、好物のケーキに喉を鳴らすように男根を咥え込むことを求めた。自分からねだることはまだなかったが、声の調子や躯の反応、そして男の肉棒を見つめる視線は、雄弁に少女の変化を語っていた。
 また、その日の5日前には、少女ははじめて自分から男を射精させることができた。風呂場でくぐり椅子に座っていた男のアナルに指を入れ、前立腺を刺激しながら睾丸を揉みほぐし、裏筋から雁首を舐め上げるという総力戦で、男の精子を体外に導くことに成功したのだった。それまでにもアナルを舐めさせられていたが、自分から触ることへの抵抗感を拭えずにいた。それを乗り越えての取り組みであった。男は少女の意気に感じ入ったこともあり、素直に楽しんで気をやったのだった。その時も特に褒め言葉がかけられることはなかったが、少女はひとりで誇らしく思っていた。顔に飛び散った精子を、大切なもののように拭い集めて飲み下した表情からもそれはわかった。男はそれを見据え、次の段階、体内での奉仕へと研修を進めることにした。少女にとっては念願の、本物の男根である。
 とはいえ、その日のうちに少女の中へ挿入したわけではない。一度射精させられたからといって男の精が尽きたわけではなかったが、それは日を置いて行われた。さりげなく、昨日までにもそうしていたように。

 この男とのセックスが、少女にとって特別なものになることはあってはならなかった。なぜなら男は、少女の主人ではないからである。
 少女のことを女から牝へと変える役を担ったこの男の存在は、少女の人生、いや生涯においてとても大きなものとなった。一般の世界で喩えるならば、恩師と言っても過言ではないだろう。しかし、いくら大きな存在になったとしても、少女はこの後、オークションにかかる身である。首尾良く買われたら、そこには少女が生涯尽くす主人が待っているのである。男は主人ではなく、買い手ではなく、ましてや売り主でもなかった。売り主はオークションハウス本体であり、男は雇われの調教係でしかなかった。少女の運命を左右する権利をなにひとつ持つことがないにもかかわらず、少女に多大な影響を与えて牝へと変えるのが男の仕事だった。男はその影響を考慮して、細心の注意を払っていた。男は少女のなかに印象を残さず、思い出にすらならないように振る舞わねばならなかった。それが一番難しかったのが、少女とのセックスである。
 この数週間、男は少女とふたりきりで過ごした。男は少女の世話を焼き、手荒く責め、牝の心得を教え込んだ。少女の心の奥底まで男は踏み入り、探り、掻き回し、嬲った。男は少女にとって唯一の他者であり、少女の運命を左右する絶対権力者であった。少女の憎しみも懇願も奉仕も、男はすべて受け止めた。そんな相手を意識せずにいられるわけはない。だから男は、少女に優しくすることも労ることもせず、心を通わせるようなことは一切しなかった。少女の期待通りに動くことも、願いを叶えてやることもなかった。
 しかし、どれほど男が素っ気なく接したとしても、そこまで手をかけられた相手を特別に意識しないではいられない。なにがしかの感情は生まれるものだった。手厚い調教を愛故と誤解することもあれば、強い憎しみが愛に転換することもある。服従を強いられ続けるうちに習いとなることもあるし、従うことで安堵を得ることもある。理不尽な命令に暗澹たる気分になっても、それを果たせる自分に暗い喜びを見出せば、それは心地よさに変わる。男の命令を曲解して、ひっそりと共犯意識を芽生えさせることもある。表面的には憎悪しても、内面で屈服させられたら、いくらでも良く思わされてしまうことだろう。人間には、欺瞞という能力がある。自分を守るためにはいくらでも嘘をつき、自分自身さえも騙す生き物であるから。
 まして、肌を重ねた相手である。抱かれたからとて愛が芽生えるほど単純ではなくとも、思慕や情念が生まれることは充分にあり得る。しかしそれはあってはならない感情である。少女がこれから、男のことを思い出して感傷に浸るような感情は、排除せねばならない。なので、男とのセックスは特別なものであってはいけなかった。セックスではなくただのファック。肌を重ねるなどという艶めいた表現で語られることではなく、ペニスをヴァギナに挿入するだけのこと。抱き抱かれるなどという感情を伴う行為ではなく、犯し嬲り強いる淫猥な行為である必要があった。少女がはじめて奉仕に成功し、射精に導いた日に、挿入を果たさなかったのはそれ故である。ご褒美をあげるかたちになってしまうからだ。何の意味づけもなく、ただ男が少女の穴を「使ってやる」ようにするために、日を置いたのである。もちろん、その数日の間に、少女の奉仕がまぐれではないか確認する意味でもあったが。

 少女と男の初体験はその為、特に語るべき内容を持たない。昨日までもそうしていたように、何の前置きもなく感慨もなく男の肉棒は少女の穴に挿入され、抽送を繰り返して、少女の胎内に射精しただけだった。
 補足するならば、少女は拘束設備に四つん這いに固定され、強烈なバイブレーターに翻弄されて息も絶え絶えになっていたところだった。発情した雌犬そのままに高く突き出された少女の尻に向かって、男はペニスを挿入し、初めての少女の膣の感触を楽しんだ。四肢から首までがっちりと拘束された少女は、はじめ何が起きたのか解らなかった。尻に当たる男の腰と、腰を握る男の手、そしてなにより男の肉棒の温かさを膣内で感じてようやく、自分が犯されていることを知った。しかし拘束され疲弊した少女は、かすかに呻く以外のことはなにもできなかった。恍惚に緩む男の顔を見ることもなかった。無抵抗の少女の穴を男は存分に使い尽くし、男の分身はその本分を果たした。膣奥から胎内に向かって熱い精液が迸った瞬間、少女の躯にも痙攣が走った。少女もまた果てた。その時、それが随喜のものか諦念からか、身体の反射でしかなかったのかは少女自身にも解らなかったが、少女の目から涙が溢れた。壁に埋め込まれた記録用カメラだけが、それを見ていた。



Thema:官能小説
Janre:アダルト

『研修』 08 リペア(12)

 貞操帯による訓練は一週間続いた。少女は満足に眠ることが出来ず、消耗していった。目の下に隈が浮き、動作が緩慢になった。一回の絶頂でも気を失い、目覚めないことが多くなった。そうして一週間、少女にとっては朝も夜もない168時間が過ぎた日の午後9時に、何も付けずに眠っていいと男が言うと、少女は大粒の涙をぼろぼろ流して泣き、頭を下げてそのまま気を失った。すぐに医務室に移送され、医療的措置を施されたが、少女はその後2日間、昏々と眠り続けた。男はその様子を見守り続け、少女に覚醒の兆候が現れると、また元の個室に戻すように手配した。その為、少女が目覚めたときに見たのは、見慣れた天井だった。医務室で寝ていた時には着せられていたガウンも再び剥ぎ取られ、一糸纏うも許さぬ姿にされていた。
 覚めたとき、部屋に男はいなかった。少女は久しぶりに微睡みという至福の時を味わっていたわけだが、すべてを悪夢のうちとして寝返りを打って目を瞑るほど鈍くはなかった。寝ぼけ眼に映った光景は、この十日余りで見慣れた飾り気のない白い天井であったし、寒気に震えて毛布を引き寄せると素肌に触れ、自分が裸でいることもわかっていた。疲労が溜まった身体はいまだ重く、身じろぎをしてもずきずきと痛んだ。そしてなによりも、股間でじんじんと響いてくる痛みが、気を失う前の記憶に少女を引き戻した。
 まだなにかはいっているみたいだと少女は思った。腕を動かすのも億劫だったが、毛布の中で手を持ち上げて、臍の下に手を当て、おそるおそる下腹部に触れていく。記憶ではあるはずの陰毛にはいつまでたっても触れることはなく、つるんとした肌が続いていた。少女の性器を秘していた茂みは、歳の割にはささやかであったし手入れも欠かしていなかったが、ここに来た日にすべて剃られたのだった。
 そのことに思い当たった少女の胸には、哀しみともつかぬ虚しさが訪れた。隠してくれるものも守ってくれるものもない自分の身の象徴のようだと思えたからだ。尤も、少女はそこまで思い至らなかったようだが、剃毛は今朝方も施されていた。性器や肛門の拡張や隠核の擦過などによる傷を処置するのとともに、この十日余りで再び生えてきていた産毛も残らず取り払われたのだった。でなければ、少女が触れたように滑らかな手触りでは有り得ない。そしてこれから毎日、少女は自らの手でこのようにすることを命じられることになるのだった。

 余談になるが、単に性器を露出することが目的なら、永久脱毛をしてしまえばいい。実際、オークション時に伴われてくる奴隷の大半はそのような処置をされているし、このハウスのオプションサービスにもその項目はある。しかし、今回のように中古奴隷の再研修においては、それは施されないのが通例である。理由は簡単で、取り返しが付かないからである。前の主人が永久脱毛を施してあった場合には、それは仕方がない。なかには入れ墨や焼き印をやピアッシングをされている例もあり、それらは買い取り時の査定に反映される。例えば「牝奴隷」や「公衆便所」といった屈辱的な言葉や、妊娠や堕胎の回数をカウントしたものなどは、その奴隷の前歴の処遇を想像させる小道具としてそのままに出品されることもあるが、前の主人によって付けられた名前や所有印は、可能な限り消す処置がなされる。人によっては、前の所有者の痕跡をあえて残し、奴隷の思考調整なども行わず、いわゆる「寝取り」のような背徳感を楽しむこともある。しかしそのような数寄心を持つ会員は稀で、たいていの場合は中古品であっても、自分が初めての主人であるかのように振る舞ってほしいと望むものである。その為にもなるべく新品同然の、傷はもちろん手のかかった痕跡の少ない商品が望まれるからである。
 そういう観点において、脱毛は取り返しの付かない手のひとつである。任意に発毛と脱毛を制御することは、人類の数千年にわたる夢でありいまだに成し得ていない。一度脱毛してしまうと、再び生やすことは難しい。もちろん、性奴隷を取り扱う上では、性器周りを隠すために生える陰毛は邪魔な存在である。立たせて鑑賞するにも妨げになるし、衣装のチャックに挟んで痛がったり、ペッティングの際に口に含んでしまうことなどもある。けれども、それを好む趣味もまたあるのである。秘所を隠そうとけなげに生える茂みを掻き分けて陰唇に辿り着くのを醍醐味とする者もいれば、毛を処理して性器を露出させることで、奴隷に恥辱を与えるのを日課にする者もいる。そのような顧客の趣味に対応する可能性を損なわないために、永久脱毛は行われないことになっているのである。
 しかし、現実的な問題として、少女のような奴隷が受ける研修においては、陰毛が煩わしい時が多い。また、少女が受けているような再教育プログラムについては、どのような趣味の主人に買われても対応できるようにすることが目的の為、常に性器を露出した状態にも馴れさせる必要がある。その為、今回のように適宜、剃毛を施すという措置が採られたのである。またそれを日課として男の前で本人に行わせることによって、恥辱を煽り、秘所を露出して歩く奴隷であるという自覚を育むという狙いでもある。尤も、あまり頻繁に剃毛を行うと、ささやかな茂みを形成していた毛質が剛毛に変化することもあるので、先々には抑毛措置が併せて行われる可能性もある。また今回は当てはまらないが、発毛が始まったばかりの年若い奴隷の場合は、その産毛のような毛質を変えないことを優先として、剃毛処置を行わないことも多い。剃毛というのは幼さひいては無垢さの象徴としても見なされるが、それを人工的に施すよりも、「生えかけ」という自然の状態の方が好まれるからである。それは膨らみかけの胸や肉が付きかけの腰などとともに、少女の肉体にある一時しか見ることのできない造形であるため、希少価値が高いので、あえてそのままにしておかれるのだ。このように剃毛ひとつとっても、奴隷ひとりひとりの状態や品質に対応した細やかな措置を施しているのである。

 そのようなことで剃毛されたばかりの股間を辿った少女の手は、苦もなく恥丘に辿り着いた。いまだじんじんと痛みのような痺れのような感覚を訴えてくる秘所を、少女はおそるおそる触って確かめていく。敏感なお豆には触らないように手のひらを上げて、指先で割れ目をなぞるように降りていく。軽く組んでいた脚を広げ、腿で堅く封じていた陰唇を解放していく。少女は脚を組んで腿をぴったりと閉じていたので、本当に膣や肛門に何か入っていると思っていたわけではなかった。しかし、頭ではわかっていても、なにかはいっているようだという感じはしていたし、それが怖かったのだ。もしかして自分のオマンコやオシリは、淫具によって長い間押し広げられたまま固まってしまって、大きな穴がぼっかりと空いているのではないかと。オシッコの穴の締まりもなくなり、だらだらと垂れ流すようになってはいないかと。頭の中ではそういうイメージがつくられていた。だからクリトリスの下、大陰唇のあたりに来たときにへんな湿り気がなかったことにほっとしたし、なかなか脚を開いて確かめる気にはなれなかった。脚を開いた瞬間にばっくりと陰唇が口を開けたらどうしようと、確かめるのが怖かった。
 しかし少女の心配は杞憂に終わった。脚を軽く開いてみても、引き攣れるように大陰唇から開いて大穴を作るようなことはなかった。医療班の観察結果では、入荷時よりも小陰唇が若干伸びて外部に露出し、膣口の合わせ目がやや開き気味になっていることが確認されていたが、少女が幼い想像で思っていたようなことではなかった。少女の若い肉体は、十日余り酷使されたにもかかわらず、その回復力を発揮していたのである。少女はほっと息をついた。
だが、事実を確かめたにもかかわらず、違和感は拭えなかった。なにか入っているような、それで自分の体内に大きな穴が空いているような、そんな気がしてならなかった。どこかおかしくなってしまったのかと少女は思った。ごく冷静にそう思った。

 ある意味では、少女の思ったとおりだった。脳が、この数日にあった状態を覚えてしまったのである。快楽物質を送り込まれ続けた脳は、その快楽物質を与えてくれる性感帯周りの状態を正しく認識し、それが持続的に送り込まれる状態を是としてシナプスを形成した。その快楽を求めることが常態になるように身体が変化したのである。大まかに言えば、麻薬の中毒のようなものだ。しかしそれは、少女が誘惑に負けたということではなく、少女の身体が強烈な刺激に対して強靱に対応して変化したということである。すなわち牝の躯として。
 少女は、快楽を飢えて求めるようになり、それを与えてくれるものが体内にないことを不思議に感じるようになる。無くした腕に痛みを感じる幻視痛のようなもので、自分がこうあったはずだという認識がずらされたのである。そして、自分の中に男根がないことが不安になっていく。それを得るとようやく満足を感じられる為、貪欲に求めるようになる。単にセックスに溺れるという程度ではなく、食事のように排泄のように睡眠のように、生きていく為に必要だと躯が要求するのである。そして、それほどの快楽を得るための生きる術は、もう奴隷になるしかないのだと教え込むことが、この研修の目的である。

 念のために、そしてじんじんという痛みの手当のつもりで、しばらく膣口の周りを指先で撫で回していた。こんなところにあんなものが入ってたなんて信じられないと少女は思った。今は鈍い痛みや痺れしか感じないここから、あんなに強烈な快感が沸いてきて頭まで蕩けるだなんて、考えられないことだった。お父様…とエッチをしてもあんな風になったことはなかった。もっと気持ち良かったような気もするが、もっと幸せな気持ちだったような気もするが、よくわからなくなっていた。



Thema:官能小説
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『研修』 08 リペア(11)

 四日目の夜も、いつものように貞操帯を着けられたが、それは昨日までのように少女を守ってはくれなかった。その逆で、守るべき穴を責めてくる淫具どもの味方をしていた。ヴァギナにはバイブレーター、アナルにはビーズが最奥まで挿入され、クリトリスにはローターが当てられたまま、手を出すことが出来ないように隔てられた。尿道にさえカテーテルが差し込まれ、抜け落ちないように板に固定された。
 カテーテルは一昨日の昼間にも着けられていたが、尿道の敏感な粘膜に人工の管が触ると、痛痒さが込み上げてきて堪らなかった。その刺激が本来の目的である排尿を導くのだが、膀胱に溜まった尿を出し切ってまで着けっぱなしにされ、ちろちろと漏れ出すままにされたのだった。恥ずかしさに堪えられず腰をひねったりして身じろぎをすると、カテーテルの管の角度が変わって少し痛くなった。ましてや今はバイブレーターやローターやビーズや、弱い部分を攻める武器が満載されていた。これで身じろぎするなという方が無理というものである。想像しただけで記憶の中の痛みや痒みが襲ってきて、少女は憂鬱な気分になった。
 貞操帯を着け終わり、淫具のスイッチをひとつひとつ試して動作を確認すると、男はそのリモコンを見せびらかしながら言った。気が緩んでいるのではないかと。ヤられなきゃいいと思ってるだろうと。少女は心の内を言い当てられ、血の気が引いて、嫌な汗が出るのを感じた。
 男は言った。お前に手を出さないのは、その価値がお前にないからだと。入れられないのではなく、入れてもらえないのだと知れ。少女のような出来損ないの穴を使っても、自分は気持ち良くも何ともない。手でも口でも満足な奉仕が出来ないのに、マンコなら出来るなどとおこがましい。むしろ自分の肉棒では、少女が一方的に気持ち良くなるだけである。少女を気持ち良くしてやる謂われはないと。口では嫌がるようなことを言っていようと、本当は肉棒が欲しいのだろうと。
 そうではないと少女は抗弁しようとしたが、男はリモコンのスイッチを入れて少女をそれどころではなくした。股間の淫具が振動と回転を始めて、淫らな刺激を送り込まれた少女は、お腹を押さえてうずくまった。男は少女を見下ろして言った。今晩から寝るときもそれを着けると。動きはいいかげんで、弱くなったり強くなったり止まったりする。強い時には、イくのを堪えろ。自分だけさっさとイかないする特訓だ。弱い時には、イっていい。自分で乳首でも触って、ひとりでオナってイけるスケベな女になれ。止まっても休むな。マンコとケツを絞めて、バイブを感じろ。イかせて下さるちんぽに感謝して、気持ち良くして差し上げろ。その三つができるようになったら、自分のちんぽを入れてやってもいい。自分が入れてもいいと思えないくらいなら、奴隷失格である。売れなかった少女がどこでどうなるのかは、自分にもわからないと。
 男はリモコンを操作して、動きをランダムにした。するとランダムであるが故に、それは一旦すべての動きを止めた。少女は荒い息をつきながら男を見上げた。安堵の色が浮かんだ少女の顔を見て、その懇願の眼差しを受け止めると、男はリモコンの裏蓋を開けた。なかに入っていた一本の単三乾電池を取り出し、そのまま裏蓋を閉める。蓋がカチリという音を立てると、それがきっかけになったかのように、少女の躯に巣くった蛇が再び首をもたげはじめた。リモコンが力を失う様を見て少女は目を丸くし、そのままその目を見開いた。よほど淫具の刺激が強いのか、少女の口からは呻き声が漏れ、目の端からは涙が滲んだ。男は抜け殻になったリモコンを手の中から滑らせた。軽くなったリモコンは床を滑り、少女の脛に当たって止まった。せめてダイヤル式なら、今どんな設定になっているのか判ったものを。リモコンにはボタンが並ぶだけだった。状態を表していたLEDランプも、今は光を失っていた。
 電池だけ抜く意味など、本当はなかった。男はリモコンごと持ち去れば良かったのだ。リモコンが少女の手に委ねられたことなど、もとより一度もなかったのだから。あえて電池を抜き、リモコンを少女の手の届くところに置いたのは、少女の絶望を深める為である。両手を自由なままにしたのもその為だ。自分の意志ではない激しい快感の渦の中でもがく少女は、硬い金属板に阻まれようとも、股間に手を伸ばさざるを得ないだろう。力を失ったリモコンを捧げ持ち、無駄だと判っていてもボタンを押してみるに違いない。そして、自分がほんのひとつの単三乾電池や、たった一枚の薄い金属板に運命を左右されていることを思い知り、取るに足らない自分の存在を悟らざるを得ないだろう。その絶望の中で、自分の身体の奥深くをほじくられ、骨盤から背骨から脳髄まで響く衝撃を与えられて、何度も絶頂を極めさせられ、焦燥感を煽られ、睡眠を妨げられ、体液を搾り取られるのだ。

 人間の身体と、精神は強靱なもので、そのように快感に漬けられた苦しみの中でも、限界などというものはなかなかやってくるものではない。体の芯から頭の芯が痺れていき、快感がない時間のほうが短くなり、膣や尿道や直腸にモノがない状態のほうが不自然になり、次第にそれに順応していくのである。そして外したときには、快感がない状態にこそ違和感を覚えるようになる。常に股間にむず痒さを感じるようになり、常になにかが自分の体内に入っているように錯覚するようになる。しかし股をさぐってもなにもなく、なにもないことに寂しさを感じるようになるだろう。
 まして少女には、既に男性経験がある。初潮を迎えるよりも前から、熱く脈打つ硬い男根に貫かれている。膣を押し広げられ、子宮口に割り入ろうとする亀頭から、濃い精子を勢いよく注ぎ込まれている。最愛の義父のペニスが自分の膣内で与えてくれた悦びを、少女は知っているのである。それは、どんなによくできたバイブレーターであっても適いはしない。冷たい淫具に快感を与えられ、絶頂を極めさせられても、それは最高ではない。いずれ淫具がつくり出す刺激に慣れ、快感が当たり前になれば、それを超えるものを自然に求めるようになる。そして、少女の躯は既にそれを知っているのである。
 この特訓によって少女は、男の言葉通り、絶頂することとしないこと、躯を使ってペニスに奉仕することを覚える。そして快楽無しでは生きられない躯となり、男の肉棒無しでは満足できないことを知るのだ。憔悴と絶望の果てに。そうして少女は牝へと生まれ変わり、男の肉棒によって生き甲斐を与えられて生きる奴隷への道を歩み始めるのである。



Thema:官能小説
Janre:アダルト

『研修』 08 リペア(10)

 男は少女のことをなかなか抱こうとはしなかった。もちろん、それはペニスをヴァギナに挿入しないというだけで、それ以外のセックスに属する行為は徹底して施されていた。ヴァギナにもアナルにもローターやバイブを入れられたし、クリトリスや他の性感帯も開発された。男のペニスを触らないまま毛布に潜り込めることはなかったし、食事にかける時間よりペニスを舐める時間が減ることはなかった。新たな性感を目覚めさせられ、快楽の海に叩き込まれ溺れさせられるような日々だった。にもかかわらず、男が少女に「手を出す」ということは、それまで一度もなかった。
 世間知らずの少女にとってもそれは不思議だった。なにせ、初めてここに来て男と対面したときはもう、裸にされて自由を奪われていたからだ。実のところは奴隷の身であったのだけれども、裕福な家庭の子女として不自由なく暮らしていた少女は、性についての知識や、その危険についての警告は年齢なりに得てきていた。ましてお父様との夜の秘め事を重ねていたのだから、男性が女を裸にしたときの最終的な目的が何なのかは、よく知っていた。だからといって少女は淫らな性分ではなかったから、セックスの気持ちよさが身に染みこんでも、みだりに性交渉を結ぶことはなかった。それは最愛の人とだけする秘め事で、その相手が生まれたときから一緒にいるお父様であったという自分は素晴らしく幸福だと理解していたからだ。だから初めての日の夜、抵抗もできないほどに疲労させられ、男の毛むくじゃらの腕で太股を押し広げられたときには、硬く目を瞑って、望まぬ相手に抱かれる覚悟をしたものだった。しかし男は、自らの分身に本来の役割をさせることはなく、金属で出来たおむつのようなものを少女に着けただけだった。ひんやりとした金属の板に包まれて鍵を掛けられた自分の股間を見た少女は、拍子抜けしたような気持ちになったのを覚えている。お父様にしか見せてはいけない、触らせてはいけないと言われていたおまんこが、既にさんざん触られ、指を入れて掻き回されて嬲られた後ではあったが、男の目や手やペニスからも触れられないようになったのだから。隠すべきものが隠されてほっとしたのと同時に、あえてそのようにした男のことを不思議に思った。しかし男はなにも語らなかった。

 次の日もその次の日も同じように、男は少女の股間を封じて帰った。少女は毎晩、男のペニスに奉仕させられ、硬く勃起した肉棒の荒々しい脈動を感じるたび、怖くて仕方がなかった。いつ頭を叩かれ、もういいから股を開けと言われるかと怯えていた。最初の頃は上手にはできなかったから、余計にそうだった。男の言うとおりに手や口を動かそうとしてもその通りにはできなくて、怒鳴られてばかりだった。それでいいとは一言も言ってもらえなかった。お父様にしていたときには、それでも気持ちいいよと言ってもらえていたのだけれども、今思えばあれは愛情五割といったところだったのだろう。もちろん男の持続力や経験もたいしたものだったのだと思うが。とにかく少女は、男のことを射精に導くことがなかなかできなかった。いっそ射精させてしまえば、挿入られないくらい柔らかくなるのにと思っても、その通りにはいかなかった。しかし、少女が不安に思っていたようなことは起こらなかった。勃起させたまま射精に導けなかったとしても、どれほど怒鳴られようとも、性欲や怒りの衝動のままに犯されることはなかった。三日目の夜も、男の屹立した肉棒を鎮めることはできなかったが、適当なところで少女は終了を告げられ、その性器には蓋をされた。冷たい金属が股間に当てられたときに思わず震えたが、少し馴染んだその感触に安心したことも確かだった。のちにそれが貞操帯と呼ばれる器具であることを少女は知るが、その時はまさにそれに守られている気分だった。
 四日目の朝には、もしかしたら男は少女にそう酷いことをする気はないのかもと思い始めた。昼間はそんなことを考える余裕もないほど責められたが、朝に自然に目覚められるほどには夜はぐっすりと眠らせてくれたし、三度の食事はちゃんと食べることができたからだ。なによりここまで、男自身に犯されることはなかった。なので、どれだけ辛い目に遭わされても酷いことを言われても、殺されることも犯されることもない。昼間の仕打ちに対しては必死に堪えて心を閉ざして、少女はそんな風に高を括った。それが間違いだったことは、その晩に解った。



Thema:官能小説
Janre:アダルト
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